当院には腰椎椎間板ヘルニア、腰椎分離症、脊柱管狭窄症、坐骨神経痛で来院される方がとても多いです。
私自身も学生時代の腰痛の経験から、腰痛の苦しみはよく分かります。
(私の腰は完治しました)
先日も重度のヘルニアの方が来院され、その方は病院から「手術をするか薬を服用し続けていくしかない」と言われたようです。
そんな方も初回来院後、帰る頃には痛みが全くなく帰っていかれました。
全ての方が一度でここまですぐに痛みがなくなるわけではありませんが、当院は腰の症状を得意としています。
本当に手術が必要なケースは、わずかだと思っています。
稀にですが、ヘルニア手術の失敗によって神経を傷つけてしまいマヒが残るケースもあります。
できることなら、なるべく手術をせずにすませたいですよね。
そこで今回、ヘルニアの方が手術を検討する前に本当に手術が必要なのかをよく考えていただくため、そして腰の痛みや痺れの本当の原因と対策を知っていただくためにこの記事を書きました。
ヘルニアでお困りの方、手術を検討されている方はこのブログを最後までよくお読みください。
ヘルニアと腰の痛みは関係ない?
椎間板ヘルニアとは、背骨の骨(椎骨)と骨の間にあり、クッションの役割をする椎間板(正確には椎間板の中央にあるゼリー状の髄核)が飛び出した状態をいいます。
飛び出した椎間板が近くの神経を圧迫したり刺激することで腰痛や坐骨神経痛を引き起こすと考えられています。
首の骨(頸椎)にヘルニアがある場合は「頸椎椎間板ヘルニア」、腰の骨(腰椎)にヘルニアがある場合は「腰椎椎間板ヘルニア」といいます。
飛び出した椎間板が神経を刺激するのですから、想像しただけでも痛そうですよね。
しかし実際には、この椎間板ヘルニアと腰の痛みは関係ないということが最近の研究に明らかにされています。
腰痛の研究者にとっては最高の名誉とされる、国際腰椎学会でボルボ賞を受賞した研究がそれを証明しています。
ヘルニアと痛みについての研究結果
アメリカのヴィーセルらの研究チームは、腰痛を経験したことがない21~80歳の52名を対象にCATスキャンで腰部を撮影した結果、35.4%以上の人に何らかの異常が見つかり、40歳未満では19.5%、40歳以上では26.9%にヘルニアが見つかったようです。
また、その他でも同様の実験がされています。
アメリカのボーデンらの研究チームも、MRIを使って同じような研究をしています。
腰痛を経験したことがない20~80歳までの67名の腰をMRI撮影した結果、椎間板ヘルニアが21~36%、椎間板隆起が50~79%、椎間板変性が34~93%認められたようです。
このように、腰痛を経験したことがない健常者における椎間板ヘルニアの検出率は20~50%と言われています。
更に、1995年にボルボ賞を受賞した研究では更に衝撃的な事実が発表されています。
カナダのブースらの研究チームは、すでに椎間板ヘルニアと診断されて強い腰の痛みがある患者46名と、年齢性別職業を一致させた健常者(痛みのない人)46名の腰部椎間板をMRI撮影し、内容を知らない神経放射線医に画像をみてもらったところ、健常者の76%に椎間板ヘルニアが見つかったようです。
つまり、画像診断で椎間板に異常がみつかったとしても、それが必ずしも腰痛や坐骨神経痛を引き起こすわけではないということが証明されたのです。
何の腰痛などの症状がない健常者の76%、つまり4人のうち3人が椎間板ヘルニアを持っているのなら、椎間板ヘルニアの存在は異常所見とはいえません。
また、マイアミ医科大学のヒューバート・ロゾモフ教授は「椎間板ヘルニアが痛みを引き起こす可能性は全体の3%に満たない」と述べています。
背骨の変形や骨盤の歪みも関係ない
そうは言っても、病院で「背骨が変形しています」とか「椎間板が潰れています」と言われると不安ですよね。
しかし、背骨の変形(側弯症や生理湾曲の有無)は腰痛とは関係ないということは半世紀以上前から繰り返し証明されています。
そして白髪と同じ用に、20歳を過ぎた頃から人間の椎間板は自然と変形してきます。
だからと言って、高齢者ほど腰痛が多いと言うわけではありませんよね。
(腰痛が最も多いのは30〜40代)
むしろ、腰痛の発症は椎間板変性がある方が低いという研究さえあります。
一般的によく言われる骨盤の歪みや下肢長差(足の長さの左右差)、椎間板が変形についても同様で、腰痛とは全く関係ありません。
これは科学的に証明された事実で、痛みの原因が「背骨の変形」だと信じてしまっているうちは、間違った対処法をしてしまいます。
※情報の正確性を見るために、普段からエビデンスレベルが高い情報を見るようにしましょう。
エビデンスレベルについてはこちらの内容をご覧ください。
多くの治療院が見落とす痛みの原因とは?
腰の痛みや痺れを改善させるためにまず必要なのは「正しい情報」です。
一般的な多くの整体院では、痛みの原因は「骨、筋肉、関節、リンパ、皮膚、神経・・・」などから起こるといっていますが、実はこれは身体的のみにフォーカスした考え方で、これだと痛みの原因の半分しか特定できていません。
ではもう半分の原因は何かというと、
「脳の緊張」です。
繰り返し起こる痛みや不快な症状には脳の緊張(自律神経の乱れ)が影響していることが多く、経験上約半数の方が脳の緊張から慢性痛が治らずに続いています。
つまり、身体的原因だけではなく心因的原因(精神的要因)も大きく関わってきているのです。
これは数多くの研究から世界的にも認められている事実で、最もエビデンスが高い最新医学として今や常識となりつつあります。
しかしまだこの事実を知る治療家は非常に少なく、未だに時代遅れの骨格調整や身体的アプローチのみの施術をしています。
正しい原因が特定できていないので、これでは慢性腰痛が無くなるはずはありません。
脳の緊張からくる慢性痛やコリは身体的なアプローチだけでは不十分で、自律神経バランスの調整(脳のコントロール)が必要不可欠です。
断言しますが、身体的アプローチだけでは一時的に良くなってもすぐに再発、または違う箇所に痛みがでてしまいます。
特に痛みが3ヶ月以上続いている方で「時間帯や日によって痛み方のレベルが変わる、痛む箇所が動く、完璧主義、責任感が強い」という方は脳の緊張が強い傾向にあります。
(人はストレスや精神的なプレッシャーが続くと自律神経バランスが崩れます。そしてこの状態が続くと、筋肉への酸素供給が不足してしまい痛みやコリなどの症状を引き起こします。)
自分でもできる自律神経の調整法
なぜ脳の緊張が痛みをつくるのか?
そのメカニズムを簡単に説明します。
基本的に「骨」には痛みを感じる神経が通っていません。(もしくは少ない)
痛みを感じる器官は「皮膚・筋肉、筋膜・腱」で、腰痛も骨の異常ではなくて筋肉の異常によって起きています。
特に腰まわりには大きな筋肉が多いです。
この部分の筋肉に「酸素」が十分行きわたらないと「コリ」や「痛み」を感じるように人間の体はできています。
そして「酸素」を運ぶのが「血液(ヘモグロビン)」です。
なので、血流を良くすれば腰の痛みが改善されるということです。
では、血流を良くするためにはどうすればよいかというと、ストレッチなどももちろん大切ですが、根本から血流を改善するためには自律神経バランスを整えることです。
血液の流れは主に自律神経がコントロールしているからです。
特に、慢性的なストレスによって交感神経が優位になりすぎると血流が悪くなり、痛みやコリ、体の不調をつくりやすくなってしまいます。
だから痛みの改善には身体的アプローチだけでなく、この自律神経バランスを整えるための調整が必要なのです。
自律神経バランスは呼吸などでもある程度コントロールできるので、以前書いたブログも参考にしてみてください。
軽度の症状なら、この記事で紹介した呼吸法で改善されることもあります。
どこに行ったらいいの分からない方へ
慢性化した痛みの場合は、体だけでなくその他色々な原因が考えられるので正しい知識と経験のある治療院で検査と施術を受ける必要があります。
そして身体的アプローチだけでなく、きちんと自律神経バランスの調整(脳の緊張緩和)ができる治療院でなければ根本改善は難しいです。
当院では「人間は体と心の両方がそろってこそ本当の意味で健康」という考えのもと、様々な検査をしながら症状の原因を特定します。
そして身体的アプローチだけではなく脳の緊張を解くための自律神経系の調整、そして自分自身でもできる「自律神経のコントロール法(脳の緊張を解く方法)」も必要に応じて指導させていただきます。
また腰痛に関する研究を常に続けており、県内一の症例実績(喜びの声)があります。
もし、どこに行っても治らない腰痛がある方や、ヘルニアで手術をすすめられたけど手術に抵抗がある、手術せずに治したいという方は当院にご相談ください。
※痛みが強い場合、まずは整形外科できちんと診察をしてもらってください。
稀ですが、命に係わる腰痛が隠れているケースもあります。
病院で診察を受けたけど原因が分からない、ヘルニアと診断された、手術を勧められた、椎間板が少し狭いと言われた、こんな方は当院の施術をお試しください。